劇場版 響けユーフォニアム 誓いのフィナーレ 感想・批評
はい。そんなわけで先日見てきました。
放映されること自体全く知らなかったので、しかも完全新作であると知った瞬間すごい幸福感がありましたw
では、さっそく感想に移ります。
ちなみに、リズと青い鳥は未鑑賞です。見たら追記するかもしれません。
本当は見てから書こうかなって思ってたんですけど、忘れちゃいそうなので今書きます。
※ネタバレあります
黄前ちゃん、二年生の物語
今作は黄前ちゃん達が二年生になり、後輩が入ってきます。
そして優子先輩は部長に、夏紀先輩は副部長になりました。
もちろんあすか先輩や香織先輩はいません。
やっぱり卒業した先輩方の不在を大きく感じましたが、それを忘れさせる個性的な一年生の面々。
黄前ちゃん、今度は三年生と一年生の間で板挟みになるのかなとか予想してたんですけど、正直今作では三年生は夏紀先輩以外あんまり出てきません。
みぞれ先輩と希美先輩は演奏シーンだけで一言も発しませんでしたね。
パンフレットの制作陣の座談会に書いてあったのですが、この二人のお話はリズで補完されているらしいです。でも、まさか全く出てこないとは・・・
劇場版の尺がこういうところに影響してきてます。
そんなわけで、今作は黄前ちゃんと新一年生、それも低音パートに限ったお話が中心です。
なので、他のパートでもあったであろういろんな事件とか、衝突とかそういうのは全く描写されていません。
この点で少し物足りなさを感じて、やっぱり1クール使って欲しかったなと思ってしまいました。
低音パートの一年生
肝心の低音パートの一年生は、ユーフォ1人、チューバ2人、コントラバス1人の計4人です。
予想できますが、ユーフォの子(奏)がやっぱり曲者でした笑
初登場時点で曲者感を感じてましたが、表面ではいい子を装っていたため、確信は持てませんでした。
それもあってか、曲者なんだと確信したシーンが印象に残っています。
それは、バスの子(求)は自分のことを下の名前で呼ぶように皆に要望していたのですが、奏はわざと名字で呼んだんです。
ここで一瞬、名字で呼ぶ奏の口元が映るんですけど、これだけで奏の人となりが見ている人の印象に強く残ったのではないかと思います。
そういうやりとりも早々に、話はサンフェスへ。
サンフェスのシーンではやはり、美玲が心中を吐露するシーンが印象に残っています。
美玲の心を代弁するようなことを言う奏、悪い顔してましたね笑
このシーンで黄前ちゃんが美玲にかけた言葉が的確で、あぁ先輩になったんだなぁと実感した次第です。
「まずはみーちゃんって呼んでもらえばいいんじゃないかな」(正確に覚えてませんが)
この台詞は見ていて、なるほどって感じでした。うまいなぁ
そんなところで、求とさつきが黄前ちゃんと絡むところはほとんどなかったですね。
さっきもいったけどやっぱり尺が・・
奏と黄前ちゃん、そして夏紀先輩
今作はこの2人がやっぱりメインでした。
迎えたコンクールに向けたオーディションの日。
副部長の夏紀先輩のことを考えて、わざと手抜きをしてしまう奏。
ここで割り込む夏紀先輩、良かったですねぇ。演技も迫真でした。
夏紀先輩の追求を退けて逃げる奏。
「私に行かせてください」と、追う黄前ちゃん。(正確に覚え(ry
このシーンは僕自身の部活時代のことといろいろ重ね合わせてしまいました。
僕は陸上部だったので、大会に出るメンバーを選ぶ際は、速い人を上から順に選ぶだけ、なんですよね。
タイムという数字に表れるので、個々の実力差は一目瞭然です。
あとはうちの部活のカラーもあってか、先輩後輩関係なく、速い人が出て文句を言う人はいなかったです。
(それが当然だと思っていたので、TVアニメで感情的に香織先輩を推す優子先輩が嫌いでした。)
なので、自分より下手な先輩のことを考えてしまう奏に対して尊敬の念が湧いてきました笑
上手い人なら下手な人のことなんて考えずに、高飛車に振る舞ってればいいのに、とか思ってしまうんですが、奏はすごい繊細な子で、そのように振る舞うことで下手な人が嫌な思いをすることも知っている、優しい子なんです。
追いかけた黄前ちゃんの説得も堂に入っていて、というか自分自身が去年、麗奈を推したということもあって、全部本心なんでしょうね。
「私と”夏紀先輩”が守るから」(正確に(ry
この台詞に夏紀先輩を加えた点が決定打だったように感じました。いい台詞ですね。
この一連のシーンについては、雨の描写も良かったし、作画ももちろん気合入ってて、コマ数増やしてたし、今作の象徴的なシーンでしたね。
そしてオーディション結果発表のシーンですが、この時僕は祈ってました。
夏紀先輩の名前が呼ばれた時、心の底からおめでとうって言いたかった。
良かった。本当に。
そしてコンクールへ
演奏シーンは、言うまでもなく素晴らしかったです。
印象に残ったところはやはり、みぞれ先輩と希美先輩の掛け合いのところですよね。
演出的にはみぞれ先輩の周りを一周するところがすごかったです。大変なシーンです。
リズと青い鳥、という曲を自由曲で選んだわけですが、僕は冒頭にも書いたようにリズを見てないので、少し感情移入しづらかったです。
あと、童話の方のリズと青い鳥も内容をそこまで知らないのも大きかったと思います。
この辺はリズを見たら印象が変わるであろう点ですね。
演奏シーンの話はこの辺にして、話をその直前に戻すと、黄前ちゃんが中学時代の話を奏にしていました。
その流れで、終わったあとに「悔しい!」と号泣しだす奏。
この脚本はうまいなぁとしみじみ感じていました。
奏は中学時代、悔しがる余裕なかったんだろうなと想像します。
あとは言わずもがな、麗奈の焼き直しですね。
奏が本音を顕にした点も感動しました。本当に黄前ちゃんを信頼したんだなぁと。
このシーンを見て、新作が早く見たくてしょうがなくなりました。
まとめ
劇場作品として、しっかりまとまってはいました。
黄前ちゃんと奏のやりとりに重きを置いたのも当然の措置でしょう。
それでもやっぱり、せめて1クール使って欲しかったという感想が出てきてしまいます。(くどいようですが
部長になった優子先輩の葛藤とか、他のパートでの衝突とか、見たかった部分は他にもたくさんありますが、何より黄前ちゃんと麗奈の絡みが少ない!!!
やっぱりこの2人の関係性はすごい好きなので、もっと見たかった。
それでも消化不良感があったわけではないので、うまくまとめた制作陣は見事でした。
ユーフォといえば、リアルで瑞々しい高校生のやり取りが見どころだと思っています。
誰もが学生時代に見覚えのあるやり取りが多くて、ついつい見入ってしまう。
その良い点は今作にもしっかり描かれていて、結果としてはいわゆるダメ金でしたが、前述した奏のシーンもあったおかげか、なんとも清々しい気持ちでエンディングを迎えられました。
優子先輩がちゃんと部長してたのも色々感じるものがありました。
学年が上がったことによるみんなの成長を実感できたのは嬉しかったです。
次回作楽しみに待ってます。